report活動報告

2025年アユモドキ個体数調査の結果(暫定報告)


 アユモドキの生息数を推定する調査を今年も実施しました。この調査は今年で21年目です。
 1回目のマーキング調査を9月16日と20日に、2回目の再捕獲調査を9月27日に実施しました。1回目に捕獲したアユモドキは、ヒレの極一部をカットしたマークを付けて放流しました。2回目の再捕獲調査では、全体の捕獲数とともに1回目の調査でマークを付けたアユモドキが何尾、再捕獲されるかが重要なデーターとなります。
 個体数の推定は、これまでと同様に体長80mm未満を「当歳」(今年生まれ)、体長80mm以上を「1歳以上」として区分しました。
 ピーターセン法(チャップマンの修正式)で個体数を推定しました。データーを精査中ですが、暫定値は次のとおりです。
〇 当歳(80mm未満) およそ370尾(昨年1,130尾)
〇 1歳以上(80mm以上) およそ 860尾(昨年 400尾)
 当歳は、2020年以来この5年間は、ほぼ1,000尾を越えていましたが、今年の個体数が370尾に留まった要因について、しっかりと検討する必要があります。1歳以上の860尾は、調査を始めて以来最も大きな数となりました。
 アユモドキの繁殖環境は、土地改良区さんのダム起立・管理、実験的に造った繁殖地の管理、西側農地を含む水田耕作などの恩恵によるところが大きく、これらのどれが欠けてもアユモドキの生息環境を守ることはできません。今後とも、人の営みとアユモドキとの共生が維持、存続できることを願います。
 この調査は、京都大学名誉教授岩田明久先生と当NPOが共同で実施し、環境省近畿地方環境事務所、京都府自然環境保全課、亀岡市環境政策課のみなさん、京都先端科学大学、京都大学の学生さん、さらに亀岡高校、南丹高校の生徒さんにも参加いただくなど、多くの関係者にお世話になりました。この場で、改めてお礼申し上げます。




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